売上は増えてるのにお金が残らない原因と対策|資金繰りが苦しい時に見直すポイント
この記事を読むのに必要な時間は約4分です。
具体的な原因とその対策を解説
POINT
- まずは “お金が残らない原因” を特定する!
- 原因に合った改善策を優先順位をつけて実行する!
- 利益ではなく “キャッシュ” を定期的に確認する習慣を作る!
売上は増えているのに、手元にお金が残らない理由
最近このような相談が増えています。
「売上は去年より確実に伸びてるのに、なぜかお金が足りないんです…」
頑張って働いているのに、口座残高が増えないと不安にもなりますよね。
この記事では、その具体的な原因と対策をわかりやすく整理しました。
原因
①利益とキャッシュの“発生タイミングのズレ”
会計は発生主義で計上を行うため、未入金でも売上が計上されます。
つまり、「商品を引き渡した時点」「サービスを提供した時点」で売上が計上されますが、入金されるのはもっと後ということがよくあります。
- 売上:今月100万円
- 入金:2か月後
このような状況だと、帳簿上は順調でも、手元のお金は増えません。
逆に、経費も「支払い前でも」サービスの提供を受けていれば計上されます。
このタイミングのズレが、資金繰りの悩みの根源です。
②売上増加とともに経費も増えている
売上アップには、ほとんどの場合で経費の増加もセットになります。
- 広告費を増やした
- 外注費が増えた
- 人件費が増えた
- 仕入も増えた
売上が増えたことで事業が大きくなるのは良いことですが、
利益率(売上に対する利益の割合)が下がっているケースは珍しくありません。
③損益計算書に出てこない“隠れた支出”がある
- 借入金の元金返済
- 工具器具備品・車両・機械などの購入
借入金の元金返済は経費ではないため損益計算書には出てきませんが、実際にはまとまったキャッシュが出ていきます。
また、工具や車両などの購入も同様で、支払時に全額が経費になるわけではなく、一度資産として計上し、減価償却によって数年にわたり少しずつ経費化されます。
しかし、キャッシュの支払い自体は一度に発生するため、手元資金は大きく減ります。
この仕組みを理解していないと、帳簿上は利益が出ているのに、「なぜかお金が残らない」という状況に陥りやすくなります。
④入金より支払いが先に来ている(入出金サイクルの不一致)
売上の入金よりも支払いのタイミングが早い状態が続くと、利益が出ていても資金繰りが苦しくなります。
- 売掛金(売上の未収金):60日後に入金予定
- 買掛金・未払金(仕入や経費の未払金):30日後に支払予定
- 給与:毎月末必ず発生
このような状況だと、資金繰りが苦しくなります。
銀行借入なしで回すのは不可能に近いこともあります。
対策
①入出金のタイミングを把握する
数字が苦手な方ほど、最初にやってほしいのは「お金の入ってくる日・出ていく日を把握すること」です。
難しい資金繰り表などを作る必要はありません。
カレンダーやメモアプリに、
- 売上の入金日
- 家賃や仕入などの支払日
- 税金やクレカの引き落とし日
を軽くメモしておくだけでも、キャッシュの流れがはっきり見えてきます。
「売上はあるのに不安…」というモヤモヤは、
数字が見えていない不安であることが多いです。
入金と支払いのタイミングを可視化するだけで、
手元のお金が増える理由・減る理由が自然とつかめるようになります。
②売掛金の回収条件を短くする
資金繰り改善に最も即効性があるのが入金タイミングの見直しです。
- 前払いにできないか検討
- 「月末締め翌月払い → 月末締め15日払い」など条件の短縮
- クレジットカード決済や自動決済(Square等)の導入
たったこれだけで、キャッシュフローは大きく変わります。
売上の増加よりも、入金タイミングが早くなるほうがキャッシュには効きます。
③税金の積立てをする
税金の支払いで口座残高が大きく減る理由は、ほとんどが積立不足です。
予測していないと資金繰りを一気に圧迫します。
弊事務所の顧問先様には、事前に納税額の見込みをお伝えし、
無理のない範囲で積み立てられるようサポートしています。
「予測がある」だけで、資金の不安は確実に減ります。
④利益率を見直す
売上を追いかける前に、利益率の見直しが非常に重要です。
- 適切な値上げ
- 原価率の改善
- 外注費・仕入の見直し
どれだけ売上が大きくても、利益が残らなければキャッシュは増えません。
「売上より利益」の観点を持つことで、事業の安定性は一段上がります。
⑤借入を上手に使う
「借入は悪いもの」と考える方は多いですが、それは誤解です。
資金の流れが売掛金の回収と合わないのは、事業として自然なこと。
そのズレを埋めるための借入は、むしろ健全な経営判断です。
必要なタイミングで適切に資金調達ができれば、事業の成長スピードも安定性も高まります。
▼関連:売上よりもキャッシュが大事
キャッシュの重要性については、次の記事でも詳しく解説しています。
過度な節税によって資金が不足するケースもあるので、ぜひ一度ご覧ください。
【要注意】過度な節税は倒産のリスクも? | 岡庭健太税理士事務所|オンライン全国対応|品川区の税理士|個人事業主・ひとり社長の心強い味方
売上=お金ではない
資金繰りが苦しいのは、経営がうまくいっていない証拠ではありません。
多くの場合、“数字の見方” を少し変えるだけで、手元にしっかりキャッシュが残るようになります。
売上が伸びている今こそ、資金繰りを見直す絶好のタイミングです。
ぜひ一度、ご自身の「お金の流れ」を整理し、原因に合った改善策を一つずつ進めてみてください。
- 当事務所の顧問先様で、上記に関してご不明な点等ございましたらお気軽にご連絡下さい!
※記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。法令または公的機関や専門家に相談の上、ご自身の判断の基でご利用下さい。

