【個人事業主必見】事業とプライベート兼用の費用はどう処理する?

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「家事関連費」の内容や具体例な按分方法を解説

POINT

  • 「家事費」はプライベートの費用であり、必要経費にならない!
  • 「家事関連費」は事業とプライベートの両方に関連する費用であり、正しく計算を行うことで一部が必要経費となる!
  • 「家事関連費」は曖昧な割合ではなく、根拠のある割合で計算して必要経費にすることが重要!
「家事費」と「家事関連費」

個人事業主の税務調査では、「家事費」と「家事関連費」が正しく処理されているかというところが見られます。個人事業主は事業とプライベートの両方の面があるため、事業としての費用とプライベートとしての費用があります。事業としての費用は必要経費となるものの、プライベートとしての費用は「家事費」と言い、必要経費にはなりません。また、事業にもプライベートにも関連する費用を「家事関連費」と言い、一部が必要経費となります。「家事関連費」は、事業として使用した部分のみ必要経費となるため、一定の割合で事業分だけ算出することを「家事按分」と言います。 按分比率については明確な基準はないものの、きちんと根拠を持った説明ができる比率で計算することが重要となります。

  • 必要経費(事業を行う上で必要な費用)
    例:仕入、広告宣伝費、消耗品、店舗の水道光熱費や家賃、税理士への確定申告料など
  • 家事費(プライベートとしての費用であり、必要経費にはならない)
    例:食費、日用品や衣類の購入費用、プライベートでの外食など
  • 家事関連費(事業にもプライベートにも関連する費用で、一部が必要経費となる)
    例:自宅兼事務所の家賃・水道光熱費・Wi-Fi代、事業とプライベート兼用のスマホ利用料、事業とプライベート兼用の車両に関連する費用(ガソリン代、保険料、自動車税など)など
「家事関連費」の具体例な家事按分
家事関連費家事按分の方法
自宅兼事務所の家賃・水道光熱費・Wi-Fi代事業で使う部屋と居住用の部屋との床面積の割合など
事業とプライベート兼用のスマホ利用料使用時間や使用日数の割合など
事業とプライベート兼用の車両に関連する費用(ガソリン代、保険料、自動車税など)走行距離や使用時間の割合など

【具体例】自宅兼事務所の家賃が月12万円、床面積が100㎡でそのうちの1部屋(25㎡)を仕事部屋として使っている場合
➣12万円×25㎡/100㎡=3万円

家賃12万円のうち、3万円が必要経費として経費計上可能となります。

最後に

今回は個人事業主の方にとって必要な家事関連費について解説をしました。按分比率を決めた場合は、必ず根拠と理由を明確にしておき、税務調査の際に説明ができるようにしておく必要があります。「〇%までは経費計上が可能」など根拠のない記事を見かけることがありますが、根拠のない曖昧な割合ではなく、正しく説明ができないと必要経費として認められませんので注意が必要です。按分をした結果、少額しか経費にならないこともありますが、これらの積み重ねが結果的に節税に繋がりますので、個人事業主の方は是非押さえておきましょう。

  1. 当事務所の顧問先様で、上記に関してご不明な点等ございましたらお気軽にご連絡下さい!

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